ラストダンスは私に

母の介護日記です

熱中症

 

この週末、暑かった。5月とは思えない真夏日が続いた。

母の寝ている部屋には冷房がない。午前中はまあまあ涼しいけど、西日があたる部屋なので、午後3時ごろからかなり暑くなる。この数日、窓を開けて風を通したり、扇風機をまわしたり、うちわで扇いであげたり、こまめに水を飲ませたりして暑さをしのいでいたけど、この部屋の暑さは下手をすると命取り。私は母のベッドを、我が家で唯一クーラーのあるリビングに移動することを決めた。

月曜日、朝一番にベッドをレンタルしている福祉用具の会社に電話して、ベッドの場所を移動してもらうように依頼した。人員の手配もあるので今日すぐにというわけにもいかないようで、それならベッドは後でいいから、先に母だけ移してしまおうと、昼前、ヘルパーさんとたまたま来ていた弟に手伝ってもらって母をリビングに移動する。

そのあと、弟と一緒に家具の大移動。ソファを動かし、テレビを場所を大きく変えた。家具を動かしていると、「そのうち片付けようと思っていたけど、忙しいから取り敢えず後回しにしていた物シリーズ」が色々出てきて、部屋の中がちょっとしたカオスと化す。ああ、これ捨てる前に見直さなきゃ。暑いし疲れているし、めんどくさい…。

運のいいことに、福祉用具の業者さんが「前の仕事が早めに終わったので」と、午後一番に来てくれて、無事ベッドの移動が完了した。ありがとう、ありがとう。

クーラーのある部屋に母を移動できて、これでひと安心と、夕方、1時間ほど母を一人家に置いて買い物に出た。必要な買い物を終えて、最後にコンビニで自分のためにアイスを買って帰宅すると、母が苦しそうにあえいでいた。顔が真っ赤で、汗をかいている。触ると熱い。やばい、熱中症かも。クーラーつけていたけど、部屋があんまり冷えてなかった。母もやばいけど、自分も暑い中帰ってきたばかりで、かなり疲れている。とりあえず片手で買ってきたアイス食べながら、もう片手で母に水を飲ませたり、うちわであおいだり、ネットで熱中症対策を検索したり。でもやっぱり自己判断は怖いので、訪問看護ステーションに電話して、看護師さんにきてもらった。

看護師さんが来てくれた頃には、少し母も落ち着いてきたけど、やっぱり来てもらってよかった。なにより一人では心細かったから。看護師さんは母の首と両脇の3箇所に、タオルで包んだ保冷剤を挟んでくれた。大きな血管が通っているので、この3箇所を冷やすと効率が良いんだって。

看護師さんが帰ったあと、ひとりでテレビの配線をつなぎ直すのに四苦八苦。疲れてて頭が全く働かず、イライラがつのる。テレビの移動をしてくれた弟に、LINEで「なんでケーブル抜く前に写真撮っとかないのよ〜!」と八つ当たりした。ごめんよ。疲れていたけど、朝ドラが見たかったので、がんばった。毎日のささやかな楽しみは大事だからね。テレビが無事について、うれしかった。